ノー残業か売上か [仕事]

夜観たドキュメンタリー番組で、働き過ぎを防ぐ取り組みとして、
残業を無くす会社の取り組みを見つめていました。


とある紳士服のお店で、売り上げナンバーワンの店員さんが、
残業してはいけないと言われて戸惑っていました。

閉店直前にやってくるお客さんが意外と多いのと、
その店員さんは、お客さん1人1人の様子に合わせて接客し、
スーツに合わせてトータルでコーディネートの提案をして、
靴も他の小物も一緒に買い上げてもらうのが得意なのです。

接客の様子を見ていても、押しつけがましくないけれど、
さりげなく提案したことがお客に受け入れられるように、
適度な間を取っています。

時間をかける形です。

でも、店長は本店から言われていて「ノー残業」を押し進めます。

接客の時、店員さんが袋に入れる時間、他のフロアに移動する時間も計り、
秒単位で仕事を短縮しようとしています。

閉店後にやっていた片付けを、閉店間際にやることで時間短縮を図らせますが、
そのことで、接客に身が入らなくなったりして、
結局、売り上げは落ちそうになります。

ナンバーワンの店員さんが、店長に直談判します。
「一番の書き入れ時(新入社員がスーツを調達しに来る時期)に残業が出来ないと困る。
自分は残業しないことでみすみす取れる売り上げがダメになるなら、残業したい」
店長は、本社に行ったときにそれを訴えます。

まったく売り上げを無視してノー残業を謳っているワケではない。
適当に・・・という返事をもらって、店長はナンバーワン店員さんに15分与えます。

ずっと浮かない顔をしていた店員さんが笑顔になり、
生き生きと接客をしていたのが印象的でした。

結果は、その人に関してだと、
昨年の同じ月は52時間だった残業が、4時間とちょっとに減っていました。
それで、売り上げは一割増。

ノー残業に反対だった店員さんも、
「今までは、残業しないと売り上げられないと思っていたけど、
やってみたら思ったほど減ったワケではなかった。
体は楽だし、やってみて認識が変わって良かった」と言っていました。

5.23.JPG

次の会社はスーパーでしたが、事務職員が残業するのが当たり前の風潮でした。
それが治らないので、強硬策として、午後6時になると、
オフィスの灯りをいっせいに消し、パソコンも強制的にシャットダウンします。

それで、社員はいやおうなしに帰る形になります。
どうしても仕事が残っている社員は、必ず総務に「残業申請」を出し、
デスクの上に「残業申請中です」と札を立てなければなりません。

今までは、定時の6時に帰るのが心苦しい会社だったのが、
残業するのが恥ずかしい雰囲気になってきたと言います。

ところが・・・社員の一人から上司にメールが入ります。
自分は、残業代を含めた生活設計をしていたので、
それが入らないと生活が苦しくなる。という訴えでした。

会社はすぐに対応策を打ち出しました。
上限12万円として、残業しなかった社員のボーナスに上乗せするということでした。

今まで残業代として払っていたお金を、還元するという考え方です。
そしてそれを、新入社員の説明会でも全面的に打ち出していました。
説明会に来た大学生たちも、歓迎していました。


ワーカーホリックとか、社畜とか呼ばれる日本人、
海外の人に驚かれるほど働く人たちの、
仕事に対する考え方を変えていかないといけない時代なのですね。
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HOTCOOL

働き方改革をウチでも打ち出しましたが・・・
by HOTCOOL (2017-05-24 04:26) 

後輩の爺

信じられない時代になりました。
朝、地方に直行。昼間は、打ち合わせ。夕方帰社後に作業。
夜は明日の用意。
残業なんてあたりまえ。残業時間「100時間超え」なんてあたりまえ。
管理職として問題視はしていましたが、それが業界では普通の世界でした。
by 後輩の爺 (2017-05-24 10:38) 

まほ

☆ HOOTCOOLさん
なかなかうまくいかないモノでしょう?
労使ともに、考え方を根底から変えないとダメなのでしょうね。
そのための荒療治が、記事に挙げた2社の例でした。

☆ 後輩の爺さん
現代人は合理的で個人主義ですから、
それが「当たり前」の世界だと、居つかないのでしょう。
やりがいのある仕事であれば、残業も苦にならないですけどねぇ!
by まほ (2017-05-26 01:34) 

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