もう初霜が降りましたね(こころあてに・・・) [百人一首]

先日、関東地方でも初霜の便りがありました。
いよいよ、寒い真冬に突入しますね。
寒いですが、白い霜はキラキラ光って綺麗なものです。

そんな初霜が降りた頃に、詠まれた歌です。


心あてに折らばや折らむ初霜のおきまどはせる白菊の花
DSCF6006.JPG

当てずっぽうに手折(たお)ってみましょうか。
真っ白に初霜が降りて、見分けがつかなくなっている白菊の花を。
DSCF6007.JPG
倒置法を使って、白菊の花と初霜の美しさを強調しています。

作者は凡河内躬恒(おおしこうちのみつね 生没年不明)
貧乏な下級役人で、地方のお役人を点々と務めました。
でも、歌を詠むのがとても上手で、紀貫之さんと並び称されるほどでしたので、
宇多法皇主催の歌合わせに出たりして、高く評価されました。
三十六歌仙の一人で、古今集の撰者でもあります。


今の世は、アスファルトが多く、畑や田んぼもあまり見られないとなると、
真っ白い霜が一面に降りる場面など、あまり見られないかも知れません。
でも、冬の朝の厳しい寒さの中で、白菊と見紛うほどの真っ白い霜が降りていたら、
感嘆の声を上げてしまうほど、美しいだろうとは思います。


でもこの歌、正岡子規さんが酷評しています。
「歌よみに与うる書」の中でこの歌をけちょんけちょんに。。。
霜が一面に降りたところで白菊と間違えるわけがないではないか、なんてオーバーな!
というようなことらしいです。

でもまぁ、平安貴族の風流な表現と、写実主義の正岡子規さんとは相容れません。
どちらが良いとか悪いとかではなく、美しい歌であることは間違いないと思います。
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HOTCOOL

置き去りにされた悪寒^^;
by HOTCOOL (2012-12-18 04:34) 

mutumin

実は私も正岡子規と同じ気持ちで、読んでて、「白菊と霜は同じに見えないでしょう?!と思ったのです。
私はロマンチックなはずなんだけどなぁ~・・・
実際、畑をやってみてるから?
by mutumin (2012-12-18 06:15) 

pn

へ?先日?大分前に霜見たけどな(汗)。
正岡子規って粋じゃないんだねー。
by pn (2012-12-18 06:38) 

パウロ

歌を高く評価されても仕事を評価されずに最後まで下級役人ですか
こんな議員が当選したような気がします


by パウロ (2012-12-18 11:17) 

miyoko

きれいな光景でしょうね^^
by miyoko (2012-12-18 15:08) 

フサヲ

私にとりまして、情景をイメージしやすい歌でしたので、
この「心」は、かなり覚えやすかったです (^ ^ )゛
by フサヲ (2012-12-18 16:57) 

親知らず

あの霜柱を白菊に例えるなんてロマンチックですよ。
せめて詩の世界くらいは夢が無いとね。
by 親知らず (2012-12-18 23:57) 

まほ

☆ HOTCOOLさん
おーっ、置き去りに出来ましたか?(何故かちょっぴり嬉しい♪(爆))

☆ mutuminさん
もちろん、見えないのですが、
「真っ白で綺麗で、白菊と見分けがつかないよ~」と言っちゃうのが、
風流というか、粋というか。。。
でも、畑でいつも真っ白い霜をご覧になっていると、
ロマンティシズムは関係無く、現実的になりますよねぇ。

☆ pnさん
いつだったか忘れましたが、1週間程度前でしたかしら?
ニュースで初霜が降りましたって言っていて、
表に出たら、夫の自転車のサドルに霜がついていました(笑)
正岡子規さんは、リアリティを追求する人だったから、
この歌は許せなかったのでしょうね。

☆ パウロさん
うーん、この時代は家柄が第一でしたので、
下級の生まれだと、ずっと下級のままなのです。
現代のように、成金とか成り上がりとか居ないのでは?
歌で評価される才能がある人は、マシだったのでしょう。

☆ miyokoさん
ええ、一面に真っ白だと、綺麗だろうと思います。

☆ フサヲさん
覚えておいでだったのですね♪
えーと、イメージしやすいのは寒い所にお住まいだからですか?

☆ 親知らずさん
真っ白に霜が降りても、間違えっこないのですけどね(笑)
夢は必要ですね・・・宝くじとか?(笑)
by まほ (2012-12-19 01:47) 

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