義母の思い出 [家族]

義母が、ガンとの闘いの末に亡くなったとき、夫の従姉妹が
「私の友達で伯母ちゃんと会ったことがある人が居てね、
『あの伯母ちゃん亡くなったんだ』と言ったら、その人が
『貴方のおばさん、私が今まで会った中で一番優しい人だった』
って言われたよ」と涙ぐんでいました。
私も思わず涙が出ました。

そのぐらい穏やかで優しい人でした。


冒頭で「がんとの闘いの末に」と言いましたが、
淡々と病気を受けとめ、淡々と治療や検診に通い、淡々と過ごしていました。

だから、周りの人間も変に深刻ぶらず、ただ協力体制をとっていました。

不安もあったと思います。
でもそれを隠して、いつもニコニコと微笑んでいました。

「優しくしよう」「淡々と過ごそう」と思っても、
なかなかそうできるものではありません。

本人の心持ちが、もともとそうだったからできたのでしょう。

でもね、ただ優しいだけではなかったのですよ。

実家のことでも、義父の兄弟のことでも、苦労したことがあって、
そのエピソードを話してくれるとき、
人並みに批判したり、あの時は悲しかったと言うこともありました。

そんな時に見せる、ちょっと悲し気な顔や茶目っ気のある顔は、
私だけが知っていると自負しています。

それだけ、仕事で出かけている夫よりもずっと長いこと、
義母と私は、いろいろなことを話して過ごしましたから。

彼女が生きていたら・・・と今でも思うことがあります。
私だって、義母に愚痴を聞いてもらったり、昔話をしたりして、
とても楽しい日々だったからです。

そう・・・ご存じの方も多いですが、義母は私の父の姉(つまり伯母)ですので、
父方の親類の話は共通の話題でした。

私の知らなかった父の幼少の頃の話とか、
私の大好きだったおじいちゃんの話とか、
叔父叔母の小さなエピソードは新鮮でした。

まだまだ聞きたいことがあったのに、話したかったのに、
ちょっと体調を崩して入院したと思っていた義母は、
急に容態が悪化して亡くなりました。

お医者さんはおっしゃらなかったけれど、
ガンが義母の体中を着々と蝕んでいたのです。

今のお医者さんは、簡単にガンを告知しますが、
こうして、本人や家族のショックを和らげるために、
少し下回った話し方をすることもあるのですね。

若い人ならきちんと告げて、手術や治療を徹底するのでしょうが、
義母が80歳を超えていたからかも知れません。

ただ、そうと知っていたら、もっともっと話したかったと思うのです。


なんだか脈絡のない話ですが、実母よりも好きだった義母の話でした。



今度は実母の思い出?
止めましょう。
親のことを悪く言うのは、聞いて(見て)いても楽しいことではないでしょうから。
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mutumin

結婚してから、穏やかに居れたのは良かったですね。
素敵な義母さん!
by mutumin (2017-08-17 05:36) 

まほ

☆ mutuminさん
本当にそうなのです。
私は結婚してからやっと、心穏やかな生活を手に入れました。
by まほ (2017-08-18 01:22) 

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