狭い見識

LGBTは生産性がないと、どこぞの議員が言ったと物議をかもしています。

まず、人間に対して生産性が無いなどという考え方自体間違っていると思います。
人を機械のように「生産性」とは、どういう言い方でしょう。
そしてそれを、子孫を持たないという意味として使うなら、
なおさら、ひどいし間違っています。

でもそれなら、LGBTの人たち以上に、
うちの子どもたちはじめ、結婚していない人間、
結婚しても子どもが出来ない人たちまでもが、生産性がないということになります。


この話題が出た時に、私は10年以上前のAOL掲示板での出来事を思い出しました。

ある日、自称天才高校生が書き込んだのは、
自分は非常に頭の良い生徒だから、医学部に入って医者になる。
自分みたいに頭脳明晰な人間は価値があるが、
そうでない人間は生きていてもしょうがない。
将来、遺伝子研究が進んだら、胎児のうちに遺伝子を解析して、
遺伝子的に瑕疵(かし=傷や欠点)のある人間は生まれてこないようにしたらいい。

たいへん腹立たしい自分勝手な意見で、もちろんその掲示板は炎上しました。
ちょっと前に、施設を襲って数人殺傷した犯人と似た理論ですよね。

その途中で、今度は自称お医者さんの書き込みがあり、
遺伝子の研究が進めば進むほど、遺伝子的に何も瑕疵の無い人間なんて、
ほとんど存在しない。
したがって、僕も君もこの世にはいないことになるがどうなんだ?

その天才高校生は、それ以降何も書き込みませんでした。
何も言えなかったのでしょうね。

確かに頭の良い子だったのかも知れませんが、
どんな人間であっても、自分が知っている範囲の知識だけでは、
到底世の中の全部を把握することはできません。
要するに「井の中の蛙」です。


障害者は生産性がないと言った犯人も、
LGBTは生産性がないと言った議員も、
頭の悪い人間は生きる価値がないと言った生徒も、
みんな自分の狭い見識でしか考えることが出来ない人間です。

そんな人間こそ排斥されるべきだ!

と言ったらどうなるでしょう?
そういう人間ほどムキになって、
人権だとか、名誉棄損だとか言い出しそうで面白いですね。
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